It Is Understoodの正しい意味と訳し方!ニュース・ビジネス英語
英字新聞や海外ニュースを読んでいる際、あるいは外資系企業との英文契約書やメールのやり取りで「It is understood that...」という表現を目にして、頭の中で「〜と理解されている」と直訳し、文脈が不自然に感じられた経験はないでしょうか。実はこの表現、学校教育で習う単なる受動態の枠組みを超え、国際報道やビジネス現場において極めて高度な情報伝達の役割を担っています。
ロイター(Reuters)やBBCといった大手国際メディアから、学術論文、法的な覚書(MOU)に至るまで、第一線の現場で「it is understood」がどのような意図と確度をもって使われているのか、その本質的なニュアンスと自然な訳し方を徹底的に解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「it is understood」は直訳の「理解されている」ではなく、文脈に応じて「〜のもようだ」「〜とみられる」「〜と了解・合意する」と訳すのが鉄則。
- 要点2:ニュース英語では「公式発表はないが、信頼できる内部情報筋から裏付けを得た高確度の事実」を報じる際の標準構文として機能する。
- 要点3:「it is said that(噂・伝聞)」や「it is reported that(他社報道の引用)」とは情報源の確度と記者の関与度が根本的に異なる。
【直訳の罠】it is understood that構文の真の意味とニュアンス
英語学習者が最も陥りやすいミスが、it is understood that 構文を形式主語構文の「that以下の内容は(人々によって)理解されている」と機械的に訳してしまうことです。もちろん日常会話において「了解した」という意味で "It is understood." と短く返答するケースはありますが、文章語として that 節を従える場合、その意味合いは大きくシフトします。
海外メディアの報道において、この表現は「関係筋への取材によって判明した事実」や「公式発表前だが確実視される情勢」を客観的に読者へ伝えるために用いられます。つまり、単なる個人の理解ではなく、「客観的な情報や状況証拠を総合した結果、そのように把握・認識されている」というプロフェッショナルな距離感を含んだ表現なのです。
したがって、日本語への自然な訳し方としては、以下のような表現を選択するのが適切です。
- 報道・時事英語:「〜とみられる」「〜の模様だ」「関係者によると〜とのことだ」
- ビジネス・契約書:「〜と了解する」「〜と合意されている」「〜の前提とする」
- 学術論文・レポート:「〜と解釈される」「〜と一般に認識されている」

【徹底比較】it is understoodと他の伝聞・推量表現の違い
英語ニュースや論文で頻出する客観表現・伝聞表現には、それぞれ明確な「情報の確度」と「発信者のスタンス」の違いが存在します。主要な4つの構文を整理した比較データは以下の通りです。
| 構文・表現 | 情報の確度・出所 | 主なニュアンス | 日本語の自然な対訳 |
|---|---|---|---|
| It is understood that... | 極めて高い(独自取材・確証あり) | 情報源の匿名性を守りつつ、記者が事実として把握している | 〜とみられる / 関係筋によれば〜の模様だ |
| It is said that... | 普通〜低め(世間の噂・言い伝え) | 世間一般でそう言われている(根拠が曖昧な場合も多い) | 〜と言われている / 〜という話だ |
| It is reported that... | 高い(他社報道や公的資料ベース) | すでにメディアや公的機関が報じている客観的事実 | 〜と報じられている / 〜と伝えられている |
| It is believed that... | 中程度(推測・専門家の見解) | 確固たる証拠はないが、多くの関係者がそう信じている | 〜と考えられている / 〜と推定される |
特に「it is said that との違い」は重要です。「It is said that」が「世間話や伝聞」の域を出ないのに対し、「It is understood that」は記者が直接関係者に接触し、裏付け(オフレコ取材など)を取った上で「事実上ほぼ確定している」と判断した内容に対して使用されます。
【実践例文集】ニュース英語・ビジネス・論文における使い方
文脈ごとの具体的な例文を確認することで、実務で使える表現力を養いましょう。
1. ニュース英語(Journalistic English)
大手通信社の記事で最も頻出するパターンです。情報提供者を保護する目的で主語を明示せず、受動態の客観構文が採用されます。
- 例文:It is understood that the CEO will resign following the accounting scandal.
- 訳例:「不正会計問題を受け、最高経営責任者(CEO)が辞任する見通しであることが関係者の話で分かった。」
2. ビジネス英語・契約書(Business & Legal English)
英文契約書や覚書では、「当事者間で以下の前提を相互に了解・確認している」という法的拘束力のある前提条件を明記する際に多用されます。
- 例文:It is mutually understood and agreed that both parties shall keep all proprietary data confidential.
- 訳例:「両当事者は、すべての専有データの機密を保持することに相互に合意し、了解するものとする。」
3. 学術論文・研究レポート(Academic Papers)
研究者の主観を排除し、学界における一般的な共通認識や理論的コンセンサスを客観的に提示する場面で機能します。
- 例文:It is widely understood that chronic sleep deprivation impairs cognitive function.
- 訳例:「慢性的な睡眠不足が認知機能を低下させることは、広く一般に知られている(共通認識となっている)。」

【実態検証】メディアと法務の現場から見る「確度」と「責任回避」
英国メディアや国際機関の文書作成現場において、「It is understood that...」は極めて実利的なジャーナリズムの武器として運用されています。
英BBCなどの編集指針(Editorial Guidelines)を紐解くと、記者には「情報源の秘匿義務」と「正確性の担保」という背反する課題が課されています。閣僚の辞任や大型買収(M&A)の合意といった重大ニュースにおいて、公式発表前に関係者からオフレコ(非公式)で証言を得た際、記者は「Sources said」と書く代わりに「It is understood that...」を用います。これによって「単に誰かが言った話」ではなく、「取材に基づき編集部として確認した事実」としての重みを持たせるのです。
一方で、ビジネス契約における受動態の使用には慎重さも求められます。「誰が理解しているのか」という行為主体が曖昧になるため、法務紛争を防ぐ目的で、現代の英文契約では "Both parties understand and agree..." のように能動態へ明示的に書き換えるプラクティスも定着してきています。
【表現力向上】洗練された言い換えバリエーション
ライティングの質を高めるためには、同一の表現の連続を避け、状況に応じた適切な言い換えを使いこなすことが不可欠です。
- 報道の言い換え:Sources close to the matter confirmed that...(関係筋が〜であることを認めた)
- 推定・推測の言い換え:It is presumed that... / It is estimated that...(〜と推定される)
- ビジネス合意の言い換え:The parties acknowledge that...(当事者は〜と認識・確認する)
- 学術コンセンサスの言い換え:It is generally accepted that...(〜というのが一般的な定説である)
【プロの結論】使うべき文脈・慎重になるべき場面の判断基準
「it is understood」は非常に格調高く、客観性に優れたフレーズですが、使用する場面を誤るとコミュニケーションの齟齬を生みます。
- 積極的に使うべき場面:
- エグゼクティブ向けの報告書で、客観的な情勢判断をスマートにまとめたい時
- 社内や取引先との合意事項を「共通認識」として文章化し、角を立てずに確認したい時
- 論文の背景説明で、確立された一般論を提示したい時
- 使用を避ける・慎重になるべき場面:
- 指示や命令を伝える場面(「誰がやるのか」が曖昧になり、業務の抜け漏れが発生するリスク)
- 日常のカジュアルなメール(文体が硬すぎて官僚的な印象を与えてしまう)

【it is understood】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「It is understood that」と「I understand that」は何が違いますか?
A1:主語が「I」の場合は「(私個人が)〜だと聞き及んでおります・把握しております」という主観的なニュアンスになります。一方「It is understood that」は発話者を隠し、「組織や関係者全体の客観的な情勢として〜とみられる」という公的なニュアンスを持ちます。
Q2:ビジネスメールで単体で「It is understood.」と返信するのは失礼ですか?
A2:意味としては「了解しました」になりますが、かなり硬く、軍隊や法的な文脈のような威圧感・事務的すぎる印象を与えることがあります。通常のビジネスメールでは「Understood.」「Noted with thanks.」や「I understand the situation.」とする方が自然です。
Q3:受動態の構文として、なぜby someone(〜によって)がつかないのですか?
A3:この構文の目的自体が「情報源や特定の行為者を伏せること」、あるいは「広く公知の事実として客観化すること」にあるためです。行為者を明示する必要がある場合は能動態(e.g., "The board understands that...")を使用します。
まとめ:文脈を見極めて洗練された英語コミュニケーションを
「it is understood」は、単なる文法上の受動態構文にとどまらず、情報の確度、客観性、そして発信者のスタンスを巧みにコントロールするための高度な表現です。
ニュースを読む際は「記者が裏取りした確度の高い見立て」として読み解き、自身がビジネスや論文で執筆する際は「客観的な共通認識を提示するツール」として活用することで、英語の読解力・表現力は一段上のレベルへと到達します。直訳の罠を抜け出し、言葉の奥にある真のニュアンスを掴み取りましょう。 (出典: it is understood(Yahoo!ニュース))