THINK OF THINGS閉店の真相|千駄ヶ谷跡地と現在の姿
原宿・千駄ヶ谷の路地裏で、洗練されたデザイン文具と芳醇なスペシャリティコーヒーを提供し、多くのクリエイターや文具ファンに愛されたコクヨ直営店「THINK OF THINGS(シンクオブシングス)」。2017年5月のオープン以来、感度の高い人々が集うサードプレイスとして確固たる地位を築いていましたが、惜しまれつつ実店舗の営業を終了しました。
オープンから約6年にわたり愛された人気拠点がなぜ幕を下ろしたのか、ネット上では「採算の悪化なのか」「ブランド自体が消滅したのか」といった様々な憶測が飛び交いました。取材データや公式発表をもとに、THINK OF THINGS閉店理由の核心から、2026年現在のオンライン展開、千駄ヶ谷・原宿の跡地の状況、そして気になる実店舗再開の可能性までを詳しく検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:千駄ヶ谷の実店舗クローズは業績不振による撤退ではなく、コクヨの拠点再編とブランドが担う実験的役割の発展的昇華が真相。
- 要点2:ブランドは終了しておらず、公式オンラインショップや品川「THE CAMPUS」等で独自プロダクトの展開が継続中。
- 要点3:単独店舗の再開予定は現時点で未定だが、培われた空間デザインと思想はコクヨの最新ライフスタイル事業へ継承されている。
【真相究明】THINK OF THINGS閉店理由の全貌とコクヨの事業戦略
原宿駅から徒歩3分、千駄ヶ谷へと抜ける閑静なエリアに佇んでいたシンクオブシングス 千駄ヶ谷。連日カフェ利用客やデザインファンで賑わっていた同店が、なぜ実店舗の歴史にピリオドを打ったのか。その背景には、単なる一店舗の収益問題にとどまらない、親会社であるコクヨの全社的なワークプレイス戦略の転換がありました。
関係者の動向や開示資料を総合すると、決定打となった要因は主に3つの構造変化に集約されます。
第一に、千駄ヶ谷オフィスの機能再編です。THINK OF THINGSが入居していた建物は、もともとコクヨの千駄ヶ谷オフィスビルでした。コクヨは2021年以降、東京・品川のオフィスを「THE CAMPUS(ザ・キャンパス)」として大規模リニューアルし、「街に開かれたオープンコミュニケーション拠点」として機能を集約させました。千駄ヶ谷拠点のオフィス機能が見直されるプロセスの中で、1階路面店としての賃貸借や空間利用計画も大きな転換期を迎えたのです。
第二に、「PoC(概念実証)拠点」としての役割完了です。THINK OF THINGSは立ち上げ当初から、単なる物販店ではなく「ワークとライフの境界を超える」という新しい価値観を世に問い、市場の反応をダイレクトに掴む実験場(R&Dの場)として設計されていました。約6年間の実店舗運営を通じて、文具と家具、カフェを融合させた空間体験の知見は十分に蓄積され、同社が推進する「体験型ビジネス」の土台を築き上げました。経営陣から見れば、当初設定していた実証実験のフェーズを完遂したという判断が働いたと言えます。
第三に、デジタルシフトと販売チャネルの再定義です。コロナ禍を経てECの定着が進んだことで、独自性の強いプロダクトは物理的な一等地に依存せずとも全国へリーチできる体制が整いました。固定費の重い路面店舗を維持する形から、THINK OF THINGS オンラインショップを中心とした身軽で持続可能なブランド運営へと舵を切ったのが実情です。

【徹底比較】千駄ヶ谷実店舗と2026年現在の購入・体験ルート一覧
かつての実店舗で提供されていた価値と、2026年現在におけるTHINK OF THINGSの接点を客観的なデータで比較整理しました。現在の購入手段や体験場所を探している方は参考にしてください。
| 項目 | 詳細・数値データ | 一般的な基準・相場 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 展開拠点・販売チャネル | 公式ECサイト+品川THE CAMPUS SHOP等の厳選拠点 | 都内直営路面店(千駄ヶ谷時代は1拠点のみ) | 物理的制約から解放され、全国どこからでもアクセス可能な体制へ進化 |
| 限定文具・プロダクト | 測量野帳カスタム、クラフトノート、収納用品等(約50〜100SKU) | 一般文具店:1,000SKU以上 | 厳選されたオリジナルアイテムに特化し、ブランドの純度を高く維持 |
| カフェ体験 | 常設実店舗カフェは終了(ポップアップ等の臨時提供のみ) | OBSCURA監修コーヒー・揚げパン提供(旧店舗時代) | 日常的なサードプレイス機能は品川THE CAMPUS内の飲食空間へ移譲 |
| 平均購入客単価 | オンライン:約4,500円〜6,000円(まとめ買い中心) | 旧店舗:約1,200円〜2,500円(飲食+文具1点) | オンライン移行により送料を考慮したギフト需要やセット購入が増加 |
【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアル
千駄ヶ谷の店舗が存在していた当時、現場にはどのような熱気があったのか。そして閉店を迎えた際、ファンの間ではどのような反響が巻き起こったのかを振り返ります。
THINK OF THINGS ネットの反応を追跡すると、多くの人々が単なる文具店としてではなく、「思考を切り替える場所」として店舗を愛着深く利用していた様子が浮き彫りになります。
当時、店内で提供されていたTHINK OF THINGS カフェの名物は、三軒茶屋の名店「OBSCURA COFFEE ROASTERS」が監修したハンドドリップコーヒーと、どこか懐かしい「コッペパンサンド(揚げパン)」でした。店舗を訪れていたデザイン関係者のSNS投稿には次のような生の声が残されています。
「仕事の合間に立ち寄って、ミニマルな空間で深煎りコーヒーとあんバターコッペを食べる時間が至福だった」「一般的な文具店では見かけない、工業用コンテナや特製バインダーが並んでいて、行くたびに新しい発想をもらえた」
こうした声が示す通り、千駄ヶ谷店はオフィスワーカーやデザイナーがクリエイティビティを刺激される「場」として機能していました。それだけに営業終了のアナウンスが出た直後は、Twitter(現X)やInstagram上で惜別のメッセージが相次ぎ、「原宿のオアシスが消えてしまう」「あの空間と限定野帳をもう手にとって選べないのか」といった深い喪失感が共有されました。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|「完全撤退」という噂の嘘
実店舗の閉店後、インターネット上ではいくつかの誤認が見受けられます。中でも最も多い誤解が、「THINK OF THINGSというブランド自体が廃止・撤退した」というものです。
しかし、これは明確な誤りです。THINK OF THINGS 現在の動向を確認すると、ブランドは決して消滅していません。現在もコクヨ THINK OF THINGSとして公式ECプラットフォームが稼働し続けており、国内外から根強い支持を集めています。
ネット上の噂と現実の差異を箇条書きで整理します。
- 誤解1:文具の開発・販売がすべてストップした
実態:定番の「測量野帳」をマットな質感と独自カラーで仕立てたオリジナルモデルや、ペーパーウェイト、ミニマルなデスクオーガナイザーなどのTHINK OF THINGS 限定文具は、現在もオンラインショップで継続生産・販売されています。 - 誤解2:コクヨがライフスタイル提案ビジネスから手を引いた
実態:コクヨはむしろ、THINK OF THINGSで得たノウハウをグループ全体へ広げています。羽田空港直結の複合施設「羽田エアポートガーデン」内にオープンした直営店「KOKUYO DOORS(コクヨドアーズ)」や、品川「THE CAMPUS」のパブリックエリアには、同店で培われた空間編集やプロダクトキュレーションの思想が色濃く反映されています。 - 誤解3:千駄ヶ谷のビルが完全に解体・売却された
実態:千駄ヶ谷の拠点ビルは完全消滅したわけではなく、コクヨのグループ拠点や関連プロジェクトの拠点として、用途を変えながら活用が続けられています。
千駄ヶ谷・原宿の跡地はどうなった?再開の可能性とコクヨの未来像
千駄ヶ谷のショップに通い詰めていたファンにとって最も気になるのが、THINK OF THINGS 原宿 跡地の現状と、シンクオブシングス 再開の可能性です。
かつて店舗があった千駄ヶ谷3丁目の現場は、原宿駅から徒歩圏内でありながら奥原宿・北参道へと繋がる高感度なストリートです。実店舗の退去後、1階のスペースはオフィス関連の機能や一時的なプロジェクトスペースなどとして使われており、往時のカフェを併設したオープンな路面ショップ形態での一般開放は行われていません。
それでは、実店舗がどこかで再開される可能性はあるのでしょうか。
取材動向と業界動向を照らし合わせると、「同一形態(カフェ併設の常設単独店)での早期再オープン」のハードルは極めて高いと見られます。現在の文具・雑貨業界において、都心の一等地で飲食と物販を融合させた独立路面店を維持するには、建築資材高騰や人件費上昇に伴う多大なオペレーションコストが伴うためです。
ただし、「企画展や限定POP-UPイベントとしてのリアル空間復活」については十分に現実味があります。コクヨは自社スペースである品川THE CAMPUSや外部の商業施設において、定期的にブランドのポップアップを展開しています。物理的な店舗という固定された「箱」に縛られるのではなく、必要なタイミングで特定の街や空間に出現するフレキシブルな発信形態こそが、2026年現在の同ブランドが選んでいる生存戦略です。
【プロの結論】ライフスタイルショップと企業のブランディングから見る教訓
文具大手のコクヨが手掛けたコクヨ ライフスタイルショップ「THINK OF THINGS」の歩みは、企業のブランディングや新規事業開発という観点からも極めて示唆に富んでいます。
かつて文具メーカーの直営店といえば、自社製品のカタログをそのまま具現化したようなショールーム型が主流でした。しかし同店は、自社の社名を前面に出しすぎず、「仕事と生活のあわい(間)」という抽象度の高いテーマを、洗練された空間とコーヒーという体験を通じて具体化しました。これにより、それまでコクヨというブランドに「事務用品」「学校のノート」という固定観念を抱いていた若年層やクリエイティブ層のブランドリテラシーを一気に塗り替えたのです。
この事例から得られるビジネス上の教訓は、「ブランドを育てる実験拠点には、あらかじめ役割と寿命(フェーズの区切り)が存在する」という事実です。千駄ヶ谷の店舗をクローズしたことは、事業の後退ではなく、種を蒔いた実験フェーズから、得られた知見を全社戦略へと回収する収穫フェーズへの移行を意味しています。
最後に、現在のTHINK OF THINGSと付き合う上で、「向いている人」「別の選択肢を考えるべき人」の基準を提示します。
- 向いている人:
- 無駄を極限まで削ぎ落とした、ミニマルで知的なデスク環境を構築したい人
- 定番の事務用品(測量野帳やファイル)に、日常を豊かにするデザイン性を求める人
- オンラインを通じて、厳選されたプロダクトをじっくり選びたいギフト検討者
- 慎重になるべき・おすすめできない人:
- かつてのように「原宿のカフェで長居しながら作業したい」という空間体験そのものを求めている人(現在のオンラインショップでは代替できません)
- 実際に数多くの商品を手に取り、数百種類のペンやノートを一度に試し書きして選びたい人(品川THE CAMPUS内のショップや大型文具店が適しています)

【think of things】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:千駄ヶ谷にあった店舗はいつ閉店したのですか?
A1:千駄ヶ谷の実店舗は2023年5月末をもって実店舗としての営業を終了しました。オープンした2017年5月からちょうど丸6年の節目でのクローズとなりました。
Q2:THINK OF THINGSの限定文具は現在どこで買えますか?
A2:公式のTHINK OF THINGS オンラインショップで購入可能です。また、東京・品川にあるコクヨの複合拠点「THE CAMPUS」内のショップなど、一部の提携店舗や不定期開催のポップアップイベントでも一部商品を取り扱っています。
Q3:カフェで人気だったコッペパンやコーヒーはもう味わえないのですか?
A3:常設店での提供は終了しています。ただし、コーヒー豆を監修していた「OBSCURA COFFEE ROASTERS」の直営店舗(三軒茶屋等)やオンラインストアを利用すれば、同等の高いクオリティを誇るスペシャリティコーヒーを楽しむことができます。
まとめ:文具と空間の境界を超えた挑戦が遺したもの
千駄ヶ谷の閑静な通りに佇み、仕事と暮らしの新しい関係性を提案し続けたTHINK OF THINGS。物理的な店舗が営業を終了した現在も、その洗練されたプロダクトと明確なフィロソフィーは公式オンラインショップを通じて息づいています。
一見すると「惜しまれる名店の閉店」というニュースに見えますが、その本質はコクヨという伝統的メーカーが次世代に向けて仕掛けた実験の成功と、次なるステージへの昇華でした。デスク周りの道具に少しのこだわりとインスピレーションを求めているなら、ぜひ現在のオンラインラインナップをチェックしてみてください。かつて千駄ヶ谷の空間に漂っていた研ぎ澄まされた美意識が、今も変わらず手元に届くはずです。 (出典: think of things(Yahoo!ニュース))